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気紛れに書かれる涼宮ハルヒの憂鬱への雑感などなど
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 ここまで行くとオリジナル状態かもしれない何てことはこの際頭の片隅に追いやっておきます。どうせ最初から斜め上疾走状態ですから、今更細かいこと(?)を気にする必要は無いのです。多分。
 そんな感じで涼宮ハルヒの憂鬱、もとい、一樹(♀)+TFEI端末@ガンスリもどき。ハルヒはまだ出てこないけど♂なはずなのでハル一反転です。
 続きにプロローグみたいなものが有ります。

 



「あっちは端末、あっちは人間……、あれは端末、か」
 丘の上に座り、眼下に広がる研究施設を見渡しながら、俺はふとそんなことを呟いていた。
 この丘の下に広がる世界は、一見どこかの貴族が残した屋敷及び施設郡に見えるが、その内実は、国家のために用意されたある種の研究施設である。
「どう違うんだろうな……」
 俺の目の中には、施設の中の一室に居る3人の少女が映っている。
 一人は見るからの無表情キャラって感じの、プラチナブロンドのショートヘアの、ローティーンとミドルティーンの間くらいの少女。
 二人目は、その少女より少しだけ年上の、クラッシックゴールドと呼べるような色をした髪を持った少女。こっちの子は割りと良く笑っている。
 三人目は、多分、見た目的には一番年長の、見るからにしっかり物、お姉さんキャラって雰囲気が漂う少女だ。ちなみにこの子はやや青みがかったロングの黒髪の持ち主だ。
 このうち一人目と三人目は『端末』と呼ばれているが、二人目の少女だけが『人間』である。
 いや……、『端末』だらけの少女達の中の、たった一人きりの『人間』言うべきか。
「始まりは『人間』……、そういうことでしょう」
 独り言を言っているだけだった俺の背後に、何時の間にか一人の女性が立っていた。
 森園生、俺と同じくこの施設の中の研究者というか工作員というか、まあ、ようするに、こっち側、の人間の一人だ。
「始まり、ねえ……」
 窓辺から差し込む光の中で、クラシックゴールドの髪が揺れるのが分かる。ショートと言うには少し長く、セミロングと言うには少し短い。整った顔立ちに、あどけない笑顔。ただの、どこにでもいそうな一人の女の子。
「選ばれし者……」
 森さんが小さく呟く。
 そう、あの少女は、選ばれた存在。
 意味が有るのか無いのか知らないが、涼宮ハルヒなんていう大馬鹿野郎に選ばれちまった。
 たったそれだけの理由で、あの娘はここに居る。
 そして『端末』は……、その少女の構成情報を基本として、再生成された一種の改造人間のような存在。
 全く、無茶苦茶にもほどが有るよな。
「そろそろ行くか」
 俺は立ち上がり、その辺りに置きっぱなしになっていた鞄を手に取った。
「今日も学校ですか?」
「ああ、昨日休んだんで……、二日も休むとハルヒが五月蝿いんですよ。……古泉も連れて行けたら良いんですけど、未だちょっと無理そうですよね」
 森さんは年上の人なので、まともに話をするときは俺も自然と口調が少しマシなものに変わる。古泉、というのは例のクラシックゴールドの髪を持つ少女の名前だ。古泉一樹、というのが彼女のフルネームだ。
 その名前が本名なのか単なる記号なのかなんてのは些細な問題で、俺が知っている彼女の名前がそうだってことが重要なんだろう。
「午後には間に合わせます」
「あんまり無理させないでくださいよ。熱が有る状態で来てもハルヒが余計心配するだけです」
「……」
「今日は何とかしますから、古泉は休ませておいてください。……お願いします」
「了解しました」
 森さんはさっと頷くと、そのまま踵を返して施設郡の方へと戻っていった。
 俺は彼女に背を向け、このでかい施設の入り口の一つである小さな門のところまで歩き始めた。
 のんびり歩いていたら、先客が先に居た。
 先ほどの、一人目の少女であり……『端末』の一つこと、長門有希である。
「行くか」
「……」
 長門の役目は、涼宮ハルヒの監視兼護衛役だ。彼女は、そういう意味で作られた『端末』なんだ。さっき見た中のもう一人、朝倉涼子は、一度居なくなったことになっているから、主にこの施設の中での実験に従事している。いや、させられているって言った方が正しいか。
 そんな朝倉も、どうも今日は古泉のお守り役で一日が潰されることになりそうだが、そういう一日もありだろう。
「天気が良いな」
「……そう」
 無口な長門と、偶然出会った振りを装っての登校。
 一応俺は、一介の男子高校生ってことになっているからな……、現実は、全然違うわけだが。
 涼宮ハルヒを動かすだけの言葉を用意して、振り回される振りをしながら、他の連中と一緒に誘導して……、そうして、俺はあいつの世界の一部を形作っている。
 この施設の連中がそうで有って欲しいと願うように……、まあ、俺もここの創設に関わる一人なんだが。
 古泉一樹にはここで出会ったし、長門有希が生まれたときのことも知っている。
 いや、思い出した、と言うべきなんだろうか。
 何も知らなかった頃の俺は、もう、どこにも居ない。
 全てを知ってしまった俺は、ただ、知らない『未来』の行く先を、自分なりに探していくだけだ。
 俺が知る少女達の、有り得ないはずの幸せを、心のどこかで願いながら……。


 ガンスリが元ネタだったはずなのに、話を転がしていったら変な方向に……。
 古泉以外の能力者は? というツッコミは無しでお願いします。その辺りのことは次回以降に……、何時になるかは分かりませんが。

 

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