古みくサイト様の更新ラッシュを見ていたら、自分も書きたくなってきたので……、妄想のまま突っ走ってみました。
一応サイトでは扱ってないので、この続きにあります。
その日の放課後、わたしは古泉くんと二人でオセロをしていました。
いつもならキョンくんと古泉くんがゲームをしているはずなんですけど、今日はキョンくんは風邪で欠席なんです。涼宮さんは、長門さんを連れてお見舞いに行ってしまいました。わたしと古泉くんは、お留守番……、大勢で押しかけたら迷惑よね、何て、涼宮さんは言っていましたけど。
「……また負けてしまいましたね」
三戦目、接戦でしたけど、わたしが勝っちゃいました。
一応勝負をしているところを何度か見ていたんで知ってはいたつもりなんですけど、古泉くん、本当に弱いです。わたしもそんなに強い方じゃないんですけど……。
「違うものにしますか?」
「あ、えっと、」
「それとも、もう終わりにしますか?」
「……もう一回、お願いします」
わたしはほんのちょっと考えてから、そう答えました。
他に、何て言えば良かったんでしょう。……わたしには、分からないんです。
本当は、きっと……、言いたいことが、ちゃんと、有るはずなんですけど、
「了解しました」
古泉くんは、何時もの笑顔を崩さないまま、次のゲームのための準備を進めていきます。慣れた手つきに、人懐っこいのにどこか掴みどころの無い笑顔。
何時もながらも、古泉くん。
でも、横から見ているのと、正面からだと、やっぱり少し、印象が違いますよね。
「……どうかしましたか?」
「う、ううん、何でもないんです」
わざとらしいと知りつつも、わたしは首を振りました。
こういう風に振舞えば、古泉くんはそれ以上追求してきたりしません。
本当に、優しい人。
優しくて、強くて、臆病で……。違う、かな。臆病なのは、わたしの方かも。
「僕が先行で良いですか?」
「はい」
指先が動いて、オセロのコマが目の前でひっくり返されていきます。
わたしも、同じように。
そうして繰り返される、言葉の少ない時間。
時折次の手を考え込む古泉くんの顔を見ている時間は、少し嬉しくて、少し暖かくて、少し寂しくて……、どうして、なんでしょうね。
「朝比奈さんは、」
「はい?」
「退屈ではありませんか?」
「う、ううん。そんなこと……、無い、です」
そんなこと……、そんなこと、無い。
わたしは、嬉しいんですよ。本当に、嬉しいんです。
古泉くんだって……、分かっていて、そんなことを言うんですか?
それとも、本当に、気づいて無いんですか?
気づいてくれなくても……、おかしいな、わたし。本当は、気づかれない方が、良いのに。
「それなら良かった」
何時もながらの、古泉くんの声。
ほっとしたようなその声と表情が、わたしの心を、少しだけあたためてくれます。
どうして……、どうして、そんな表情を、見せるんですか。
わたしは……、わたしは、あなたに、何も、
「あの……」
言葉は、どうして形になってくれないんでしょうね。
言いたいことは、たくさん有るはずなのに……、今日もわたしの気持ちは、空気にさらわれていってしまいます。
さらわれて、そのまま、消えてしまったら良いのに。
どうして、わたしの中に帰ってくるんですか。
どうして、どんどん大きくなってしまうんですか。
わたしは……、わたしは、そんなこと、望んじゃいけないはずなのに。
「……僕の勝ちですね」
オセロの色さえ分からないほど困惑していたわたしに、古泉くんが、勝負を終わったことを告げてくれました。
三勝一敗。
戦績という意味でなら、きっと、まずまずというところなんでしょうね。
でも、オセロと違って……、わたしの恋は、今日も負ける以前の所で動けないままなんです。
思いついたままの妄想を文章にしたもの。
みくる可愛いよみくるー!!
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